4月吉日




「お~久しぶり!」
「あ、ご無沙汰しています。」
「こうやってバレー部が集まるのも久々だな。」
「働き始めると中々な。」
「牛島さんは来ないんですかっ!?」
「あー若利は何とか都合つけれたみたいだけど、ギリギリになるかもって!」
「最近は席次表にプロフィールなんか載ってるんだね~。」
「第一印象ユニークな人って、ずいぶんオブラートに包んだな。」
「あいつはそういう建前のうまいやつですよ。」
「ずっと変な女変な女って言ってたもんな。」
「そのくせ俺たちが言うと怒る!」
「そうそう!」
「俺もちゃんのバイクかわいいね~ってバイクを触ったのに触らないでくださいって怒られちゃったよ~。」
「俺もっ!さんって呼んだら馴れ馴れしいって怒られました!」
「まあ、おまえは馴れ馴れしかったかもな。」
「えっ!?」
「でもそんくらい好きだったんだな。」
「じゃないと結婚しないでしょうしね。」
「はぁ~。次は誰だよ?」
「「…………」」
「まっ!なんにしてもちゃんのドレス姿楽しみだね。」
「すごく綺麗なんでしょうねっ!」
「だな。」
「賢二郎のタキシード姿は楽しみじゃないの?」
「はっ!?もちろん楽しみですっ!」






髪を結われながらドレッサーを見ると、鏡ごしに純白のドレスが見える。レースがとても繊細なクラシカルなドレス。自分が選んだくせに試着して見せたときの驚いた顔、かわいかったな。

「アイメイクするんで、目つぶってください。」

こうやって目を閉じると、きみと出会ったときのこと今でも鮮やかに思い出すことができる。そのときもこんな花曇りだった。「結婚式なんだからもっと晴れの多い時期にすれば?」って言われたけど、わたしは君と出会って、君が想いを告げてくれて、君がプロポーズしてくれたこの時期がよかったの。

「新郎様がお待ちですよ。」

外は曇り、一面ねずみ色、今日の良き日にわたし、結婚します!




back /